定年京都移住3-62_華氏451度
6月のNHK100分de名著はレイ・ブラッドベリ著「華氏451度」、戸田山名古屋大大学院教授が解説した。
著者は1920年イリノイ州生まれのSF・ファンタジー作家、1953年発表の本作は、100年後の未来社会を描いた彼の最高傑作といわれる。
タイトルは紙が自然発火する温度(=摂氏233度)のこと、本を所持しているのが見つかると、家ごと焼き払われてしまうという恐ろしい寓話だ。
目次は ①本が燃やされるディストピア ②本の中には何がある? ③自発的に隷従するひとびと ④「記憶」と「記録」が人間を支える となる。
ディストピア小説は現実社会の危うい面や暗黒面を少しだけ延長し、極端な未来を描くことで現状を批判する。
1950年代のアメリカは核兵器競争と東西冷戦、レッドパージ(赤狩り)の時代で、パラノイアック(偏執的)になる一方、大衆消費社会が本格化した。