定年京都移住1-65_大和四寺
今夏の東博特別企画展「奈良大和四寺のみほとけ」に行った。
大和四寺は高市郡明日香村の岡寺、宇陀市の室生寺、桜井市の長谷寺と安倍文殊院のいずれも7〜8世紀に創建された古刹で、四寺巡礼共通拝観券も売られている。
個性的な仏像が多い中、図録の表紙を飾る室生寺の国宝仏「十一面観音菩薩立像」はやはり素敵だった。
9世紀の一木造りで、美しい衣文線、うっすら残る彩色、ふっくらした頰と紅い唇が童女を思わせるが、薄く開いた目は慈悲の眼差しのようだ。
みうらじゅんさんが「見仏記」の中で、「やっぱ、ピンで写真集出せる人は違うよ」と語るが、左に並ぶ重文の地蔵菩薩立像とその前に安置された小さめの十二神将立像2体との構成も印象的だった。
岡寺の開基、義淵僧正坐像は国宝の肖像彫刻、8世紀の木心乾漆造で、深く刻まれた皺が高僧の精神性を感じさせる。
明日香方面には足を運んだことがないので、岡寺にほど近い飛鳥寺、橘寺と合わせてぜひ参詣したい。