定年京都移住1-66_仏像図鑑
誠文堂新光社の三宅久雄監修「みるみるつながる仏像図鑑」が発行された。
以前読んだ同社「マンガでわかる仏像」の続編にあたり、永田ゆきさんのイラスト、ほとちゃんのガイドも同じ構成だ。
仏画は難易度が高く、みうらじゅんさんも阿修羅の眉間にしわの寄っている表現が難しかった、と仏像探訪誌で語っている。
図鑑の180点に及ぶイラストはきめ細く、仏像の表情や雰囲気、彩色に味わいがある。
特に表紙を飾る東大寺法華堂の不空羂索観音菩薩や、唐招提寺と葛井寺の千手観音菩薩、三十三間堂の千体仏は見事だ。
以前参拝したり、博物館や美術館で拝観した仏像の数々が蘇る。
飛鳥以前から江戸まで時代毎の代表仏を中心に、九州、東北、鎌倉のエリア別と、運慶、快慶の仏像マップもある。
慶派は興福寺周辺を拠点とする奈良仏師集団だが、運慶が鎌倉武家からの依頼で東国の造仏も多いのに対し、熱心な阿弥陀信仰者の快慶は、京や南都の造仏を担い続けた点は興味深い。