定年京都移住1-62_禅的生活
臨済宗には14派あり、五山派系7派と林下系7派に分けられる。
京都五山に加え、鎌倉五山の建長寺派と円覚寺派が五山派で、林下は京都の妙心寺派、大徳寺派、富山の国泰寺派、滋賀の永源寺派、山梨の向嶽寺派、静岡の方広寺派、広島の佛通寺派だ。
林下とは室町幕府が権威付ける五山制度に入らなかった禅宗寺院をいう。
臨済宗の特徴は、師から与えられた公案を意識において座禅に励み、修験僧が師の部屋に赴き公案の見解(けんげ)を述べる入室(にっしつ)があることだ。
曹洞宗では入室は行われず、ひたすら座禅することに悟りを見ようとする。
臨済宗妙心寺派住職で芥川賞作家の玄侑宗久師著「禅的生活」を読んだ。
公案に正解はなく、価値判断という二元論を打ち砕く、のだそうだ。
善悪、正邪、美醜、真偽、有無、など二元論にキリはないが、悟った心は、不二、如是、真如、の言葉で表される、ということだ。