定年京都移住2-42_禅の言葉
三笠書房知的生きかた文庫の境野勝悟著「道元 禅の言葉」を読んだ。
著者は今年米寿の東洋思想研究家、駒澤大学大学院で禅学を修めた。
曹洞宗は道元を宗祖とし、寺院数約15千、臨済黄檗十五派の二倍の規模だ。
道元は臨済宗開祖栄西の歩んだ道を追って入宋したが、帰国後比叡山や建仁寺との関係が悪化し、1244年越前に大仏寺(永平寺)を開創した。
臨済宗が五山を中心に鎌倉、室町の将軍家に保護されたのに対し、曹洞宗は地方武家、豪族、一般民衆に広がる。
座禅のスタイルも異なり、臨済宗は公案を用いる看話禅、曹洞宗は黙照禅、壁に向かって座禅を組み、警策も右肩だけだ。
教えの根本はただひたすらに打ち座る「只管打坐」、座禅は悟るための手段でなく、座禅修行がそのまま悟りであってそれを「修証一等」という。
経典正法眼蔵には「仏道を習うというは自己を習うなり、自己を習うというは自己を忘るるなり、自己を忘るるというは万法に証せらるるなり」とある。
万法とは森羅万象を指すそうだ。