HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住2-7_法華経

昨年11月のNHK100分de名著のテーマは「法華経」、仏教思想研究家の植木雅俊氏が解説した。

アンコール放送なので司会が島津有理子さん、この番組で取り上げた神谷美恵子著「生きがいについて」を契機にNHKを退職し、昔目指した医師の道にチャレンジすると話題になった。

今は子育てをしながら45歳にして医学部に通っているそうだ。

この回は放送もテキストも難しかったが、別冊「集中講義 大乗仏教」を読むとその背景が少し理解できた。

紀元前4世紀の釈迦入滅後、3世紀には二十の部派に広がり、紀元前後には大乗仏教が興った。

大小並存の時代、小乗仏教の出家者を批判する般若経が成立し、紀元1〜2世紀には権威的な部派仏教を糾弾する維摩経が生まれた。

3世紀頃までに、小乗と大乗の対立を融合させ全てを救うお経、法華経が成立したということだ。

法華経は平等な人間観で、あらゆる人が成仏できる、ブッダになれると説いたことから「諸経の王」と言われる。

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定年京都移住2-6_般若経

NHK別冊100分de名著「集中講義 大乗仏教」によると、釈迦の仏教と大乗仏教の教義は異なるが、後者にも様々な経典がある。

同じ仏教なのにどうして教えが違うのか、が二つめのテーマだ。

数ある大乗経典の中で、紀元前後に編纂された般若経が最古と言われる。

そのエッセンスが般若心経だが、般若経の特徴は、すべての人は過去生においてブッダと出会い誓いを立てているのだから菩薩である、と考える点だ。

すでに菩薩なので厳しい出家修行ではなく、日常の善行を積み重ねることで悟りに近づく。

禅宗密教系の宗派が特に般若経を大切に扱うが、阿弥陀仏ブッダとして信仰する浄土真宗法華経を基本の教義とする日蓮宗では唱えないそうだ。

華厳経毘盧遮那仏東大寺大仏が有名)が宇宙の真理を意味する宇宙仏と定義される。

真言密教華厳経の世界観を引き継ぎ、大日如来を宇宙そのものとする。

この宇宙全体が一つのブッダ世界であり、そこに私たちは生きているという考え方だ。

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定年京都移住2-5_大乗仏教

NHK別冊100分de名著「集中講義 大乗仏教 」を読んだ。

著者は原始仏教の研究者で花園大学教授の佐々木閑氏、釈迦の説いた自己鍛錬の教えが、どのようにして衆生救済の大乗仏教に変容したか、がテーマである。

釈迦の仏教は、サンガと呼ばれる修行者集団に出家し、厳しい修練により煩悩を消し去って涅槃に到達する、自力救済の教えだ。

阿羅漢の境地に至れば、天、人、畜生、餓鬼、地獄の五道の輪廻を止め、真の安楽に達する。

大乗仏教は、釈迦の入滅後に分かれた部派仏教の中から、異民族の侵入など混乱した時代に生まれたと言う。

在家信者でも悟りの道を歩むことができる教えは、外部に私たちを助けてくれる超越者や、不思議なパワーの存在を拠り所とした。

現世にブッダは釈迦一人で、入滅の56億7千万年後に弥勒菩薩ブッダになる、という教えに対し、大乗仏教では悟りを開いた者の最終到達点はブッダになること、なので二つの教義は全く異なる。

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定年京都移住2-4_写経本

京都でも鎌倉でも、参拝者が写経をされている様子を時々拝見する。

以前から興味はあるのだが、敷居が高いのと時間が掛かることを言い訳に体験できていない。

そこで参考書として、枻出版社「えんぴつで書く1日1行般若心経練習帳」を購入した。

声に出して読む、書く、覚える、ことは認知症予防にも役立つそうなのでちょうど良い。

般若心経は大般若経600巻の経典のエッセンスが綴られており、心を込めて書写したり、読誦すると大きな功徳があると言う。

世の中の全てのものは移りゆき、何ひとつとして永久に変わらないものはない。

万物は空であり、老いも死もなく、恐怖や不安に苦しむこともない、という有難い教えだ。

色不異空  空不異色  色即是空  空即是色  の部分は聞いたことがあるが、全体の構成や意味をよく知らなかった。

今年は般若心経の説くところを咀嚼し、276字の書写を少し練習したうえで、心静かに寺院の筆写経に臨みたい。

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定年京都移住2-3_漱石の旅

京阪神エルマガジン社「地図で遊ぶ京都本」の特集「夏目漱石40歳の京都ジャーニー」が興味深い。

学生時代に正岡子規と初めて上洛したときは柊家に2泊したが、この二度目の旅は2週間で50ヶ所以上を回る超過密日程だった。

東京から鉄道で11時間半、3月末の京都は冷え込むが、子規と訪れた比叡山に登り、山ばな平八茶屋で高浜虚子と川魚料理を食した。

保津川下りや伏見、宇治にも足を伸ばし、黄檗萬福寺では松林の庭が気に入り再訪したとある。

舞台となった「虞美人草」を読み返して、平八茶屋や萬福寺を訪ねたい。

漱石は旅の締めに祇園一力亭で遊ぶが、こちらはかなり敷居が高そうだ。

48歳の時にも1ヵ月ほど滞在し、祇園「大友」の女将磯田多佳との交遊は3年前のNHKドラマ「漱石悶々」で豊川悦司宮沢りえが演じていた。

6年前修善寺をサイクリング中に漱石の石碑を見つけた。

転地療養先の「修善寺の大患」後、体調を取り戻した漱石は最後の京都に訪れたのだった。

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定年京都移住2-2_体験スポット

京阪神エルマガジン社のムック本を毎年楽しみにしている。

最近では「体験が楽しい!京都本」を読んだ。

定番の座禅、写経、写仏の他に、聞香、陶芸、抹茶点前、日本茶ブレンド、和菓子、落雁、スイーツ、だし巻き卵作り、利き酒、利きビール、利きだし、庭園鑑賞、宿坊、お茶屋体験、豆腐すくい、京提灯、京からかみ作りなど沢山ある。

「金網つじ」では針金を亀甲模様に手で編んで豆腐すくいを作る体験ができる。

高台寺一念坂店の2階で約1時間、費用は4千円、HPでは同じステンレス角型小が4500円で売られている。

以前お店に伺ったときは、菊の模様の丸型か八角型がよいと思ったが、7千円の値段に手が出なかった。

今年はマイ豆腐すくいにトライしたい。

もう一つ気になったのは祇園東のお茶屋置屋の富菊だ。

五条近くにショー形式の芸妓、舞妓スポットはあるが、本物のお座敷はあまり聞かない。

一見さんでも二人なら80分4万円で金毘羅船船を楽しめるそうだ。

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定年京都移住2-1_ちょこっと京都

年末からテレビ三昧だが「ちょこっと京都に住んでみた。」が面白かった。

仕事を辞め落ち込む佳奈(木村文乃)が一人暮らしの叔父(近藤正臣)の町家で数日過ごすうち、京都の奥深さに触れ元気を取り戻す物語だ。

佳奈の天真さと叔父のとぼけた「知らんけど」が良かった。

買い物を頼まれ自転車で向かうのはローカルな店ばかり、初日は北野の鎌田川魚店で関西流うなぎ、とようけ屋山本でお揚げさん、長文屋で八味唐辛子を求める。

翌日は梨木神社と麩嘉本店で軟水を汲み、WEEKENDERS で豆を選び、叔父一押しのグリル生研会館で洋食を頂く。

3日目は骨董屋、古本屋とお饅頭屋2軒を回り、ビブリオティックハロー!で寛ぐ。

二条柳馬場の町家カフェ、ぜひ訪ねたい。

4日目は元田中天忠の鯖寿司を持ち帰るが、音羽砂防ダムで叔父の分も食べてしまう。

雑貨店で椅子を買い、夜は酒屋の店先で宴会になる。

叔父の「好きなことをどんどん増やして生活すれば楽しいやろ」に頷いた。

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