HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住2-5_大乗仏教

NHK別冊100分de名著「集中講義 大乗仏教 」を読んだ。

著者は原始仏教の研究者で花園大学教授の佐々木閑氏、釈迦の説いた自己鍛錬の教えが、どのようにして衆生救済の大乗仏教に変容したか、がテーマである。

釈迦の仏教は、サンガと呼ばれる修行者集団に出家し、厳しい修練により煩悩を消し去って涅槃に到達する、自力救済の教えだ。

阿羅漢の境地に至れば、天、人、畜生、餓鬼、地獄の五道の輪廻を止め、真の安楽に達する。

大乗仏教は、釈迦の入滅後に分かれた部派仏教の中から、異民族の侵入など混乱した時代に生まれたと言う。

在家信者でも悟りの道を歩むことができる教えは、外部に私たちを助けてくれる超越者や、不思議なパワーの存在を拠り所とした。

現世にブッダは釈迦一人で、入滅の56億7千万年後に弥勒菩薩ブッダになる、という教えに対し、大乗仏教では悟りを開いた者の最終到達点はブッダになること、なので二つの教義は全く異なる。

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