定年京都移住2-3_漱石の旅
京阪神エルマガジン社「地図で遊ぶ京都本」の特集「夏目漱石40歳の京都ジャーニー」が興味深い。
学生時代に正岡子規と初めて上洛したときは柊家に2泊したが、この二度目の旅は2週間で50ヶ所以上を回る超過密日程だった。
東京から鉄道で11時間半、3月末の京都は冷え込むが、子規と訪れた比叡山に登り、山ばな平八茶屋で高浜虚子と川魚料理を食した。
保津川下りや伏見、宇治にも足を伸ばし、黄檗山萬福寺では松林の庭が気に入り再訪したとある。
舞台となった「虞美人草」を読み返して、平八茶屋や萬福寺を訪ねたい。
漱石は旅の締めに祇園一力亭で遊ぶが、こちらはかなり敷居が高そうだ。
48歳の時にも1ヵ月ほど滞在し、祇園「大友」の女将磯田多佳との交遊は3年前のNHKドラマ「漱石悶々」で豊川悦司と宮沢りえが演じていた。
転地療養先の「修善寺の大患」後、体調を取り戻した漱石は最後の京都に訪れたのだった。