定年京都移住1-59_美仏大全
枻出版社の仏像本シリーズの一冊「京都傑作美仏大全」には天皇家や平安貴族ゆかりの仏像が紹介されている。
同じく数年前に発行された「仏像探訪〜奈良至宝の仏像めぐり」では、飛鳥、白鳳、天平の古代から伝わる銅像や塑像、乾漆造りの像が多い。
京都の仏像は、平安から鎌倉時代の木像が中心となり、一木造から大仏師定朝が集大成した寄木造りへ、そして運慶、快慶ら慶派仏師に繋がっていく。
御室仁和寺の阿弥陀如来三尊像や、清凉寺の阿弥陀三尊像は平安前期に造像された檜の一木造である。
定朝の代表作である平等院の阿弥陀如来坐像や、三千院の阿弥陀三尊像は平安後期、檜の寄木造りになる。
御寺泉涌寺の三世仏は鎌倉時代の運慶作と伝わり、釈迦如来、阿弥陀如来、弥勒如来はそれぞれ過去世、現世、来世の教主を表すとされる。
泉涌寺の塔頭戒光寺の釈迦如来立像は運慶と湛慶父子の作と伝えられ、参詣した際、台座から光背まで約10mに及ぶ巨大さに驚いた。