定年京都移住2-9_空海と曼荼羅
昨年のDiscover Japan誌に「はじめての空海と曼荼羅」の特集があった。
空海は804年31歳の時に遣唐使船で唐に渡り、密教の根本道場で阿闍梨位を継承、布教のため経典や仏像、曼荼羅などを持ち帰った。
43歳で真言密教の本拠地として高野山を開山、50歳の時に嵯峨天皇から東寺を下賜されたという。
曼荼羅は密教の悟りの境地である宇宙の真理を視覚化した図で、さらに21体の仏像により三次元化したものが立体曼荼羅である。
仏教を顕教と密教に分け、顕教が釈迦如来を本尊とし、修行を積んで成仏するのに対し、密教ではすべてのものは大日如来が姿を変えたものと考える。
現世における肉体のままで仏であり、仏性に目覚めれば大日如来の真理と一体になれる。
弘法大師は仏性の心のありようを10段階に分けた「十住心論」を説くが、省みるとまだ本能に支配された第一住心と良心が芽生えた第二住心の間を彷徨っている辺りだろうか。