HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住3-7_先崎九段

12月のNHKBS特集ドラマ「うつ病九段」を見た。

主人公は先崎学九段、2017年にうつ病を発症、入院して7ヶ月対局を休んだ実話だ。

18年に文藝春秋刊「うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間」を上梓している。

治療の難しさ、周囲の温かさ、勝負の厳しさが垣間見えた。

昨年の戦績は11勝16敗、徐々に復調が見え、応援したい。

先崎は羽生善治九段、森内俊之九段と同い年、二人より1年早い小学5年生で奨励会入りし「天才先崎」と言われた。

米長邦雄永世棋聖門下、棋風は無頼流でデータより感覚重視、弟弟子に中村太地七段がいる。

先崎の闘病中、中村は羽生を破り初タイトル「王座」を獲得した。

先崎役は安田顕、妻が内田有紀、兄の精神科医高橋克実棋士役では羽生がナイツ土屋伸之、中村に渡部豪太鈴木大介九段に宇梶剛士藤井聡太二冠に鈴木福、米長夫人に高畑淳子などキャストも注目された。

ファンだった米長の著書「人間における勝負の研究」を思い出す。

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定年京都移住3-6_南相馬便り

12月のNHKラジオ深夜便で、柳美里さんの「南相馬便り」を聞いた。

第4金曜に桜井洋子アナが暮らしの様子など尋ねる。

今回は柳さんの本屋に併設するカフェの再開と、そこで働く母と息子の話しだった。

柳さんは1968年横浜市出身、96年に「フルハウス」で泉鏡花文学賞、97年に「家族シネマ」で芥川賞、昨年は「JR上野駅公園口」の英訳版が全米図書賞を受賞し話題となる。

東日本大震災のあと福島、宮城、岩手の被災地を度々訪れ、臨時災害放送局でパーソナリティを務めた。

2015年に鎌倉から南相馬に転居、住民として自分が出来ることは何かと考え、18年に自宅を改装し本屋「フルハウス」を開店した。

著書を読んだことが無かったので、初期代表作の一冊「ゴールドラッシュ」を選んだ。

酒鬼薔薇事件に影響を受けた作といわれ、主人公は14歳の少年、舞台は神戸でなく横浜の黄金町界隈、多少雰囲気を知るエリアだが、題名どおり怖い物語だった。

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定年京都移住3-5_人生戦略

12月のNHKラジオ深夜便アーカイブスで、佐藤優氏の「特選・明日へのことば〜私の還暦からの人生戦略」を聴いた。

元外務省主任分析官で作家の佐藤氏は、昨年1月還暦を迎えたそうで、1ヶ月違いの同学年と知った。

県立浦和高校に入学してすぐの夏休みに、一人東欧諸国を旅して回ったそうだ。

同志社大学神学部、大学院ではチェコスロバキアの神学について研究し、チェコへの語学留学を目的に1985年外務省に入省したが、配属はソビエト連邦課だった。

2002年鈴木宗男議員に絡む背任、偽計業務妨害容疑で逮捕、2009年に最高裁で有罪が確定し、省職員を失職する。

東京拘置所で1年半の収監期間に難解な本を読み漁ったことや、隣の独房に元連合赤軍の関口死刑囚がいた話しなど興味深かった。

恐らく同世代でこれだけ壮絶な人生を歩んだ方は稀で、著書や対談が面白くない筈がない。

そのまま外務省にいたら定年の63歳まで務め、本を一冊でも世に出すことはなかっただろう、と述べた。

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定年京都移住3-4_鉄道地図帳

年末年始はコロナ感染拡大のため、会社を17日間も休んだ。

遠くへ行ける訳ではないので、天夢人「旅と鉄道」の増刊12月号「鉄道旅がもっと楽しくなる地図帳」を眺め、過去訪れた駅を確認したり、将来行ってみたい先に想いを馳せたりした。

地図には県市境、地名がなく、基幹国道と名城、名山、温泉だけなので、鉄道路線網がはっきりと判り易い。

北海道でだいぶ廃線になったとはいえ、日本は鉄道の国だと改めて思う。

路線図には名駅、珍駅、話題、秘境、木造、絶景のマークが付き、秘境駅には順位もある。

エリア毎に、特急&観光列車、絶景路線、名物駅、鉄道歴史スポット、人気弁当、駅近観光スポットが写真で紹介され旅情を唆る。

寝台特急の思い出に、10年前家族で函館に向かった「カシオペア」と40年前友人の帰省に同乗したブルートレイン「出雲」がある。

寝台ではないが、上野から夜行急行「八甲田」で青森へ、早朝連絡船で函館に渡った「青春18切符」の旅が懐かしい。

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定年京都移住3-3_新春飛ぶ教室

元日夜にNHKラジオ高橋源一郎の「飛ぶ教室」を聴いた。

高橋さんは古希を迎えたそうだ。

新春!初夢スペシャルとして放送時間を拡大し、作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんとの対談があった。

京都嵯峨に寂庵を開いた寂聴さんは今年白寿、とてもお元気だ。

今は付き合いのあった三島由紀夫の評伝を書こうと、本を読み返し準備されているそうで、この齢にして旺盛な執筆意欲に驚く。

書かずにいられないのは小説家の病気だと言う。

飲んで食べるのが元気の源、楽しみがないとと笑い、コロナでどん底に落ちたらあとは上がるだけ、と前向きだ。

番組後半は、詩人・伊藤比呂美さん、ライター・ブレイディみかこさん、漫画家・ヤマザキマリさんとの新年会、高橋さんもタジタジだった。

お三方は外国人と結婚してお子さんもいるが、ヤマザキさんは家族に拒否され、1年以上イタリアに帰れないそうだ。

高橋さんが中学生の息子に甘くて仕方ない、と打ち明けると、皆さん肯定的な反応で少し意外だった。

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定年京都移住3-2_駅伝シーズン

全国高校駅伝が12月20日開催、コースは午前女子が ①西京極陸上競技場から五条通西大路通平野神社まで ②北大路通堀川通紫明通を烏丸鞍馬口で折り返し ③北大路通船岡山西大路通下立売 ⑤競技場まで のハーフだ。

午後男子はマラソン距離、②烏丸鞍馬口から更に烏丸通丸太町通東大路通今出川通白川通宝ヶ池通を国際会館前で折り返す7区間になる。

世羅高がアベック優勝を飾り、地元洛南高も男子3位ながら、日本人チームの新記録を樹立した。

元日は実業団駅伝、36チームが群馬県庁をスタートし、高崎、伊勢崎、太田、桐生の市役所を回る7区間100km、富士通が12年ぶりの優勝を遂げた。

系列の川崎フロンターレも同日天皇杯を制した。

2, 3日は箱根駅伝、20校+選抜が往復10区間217.1kmを競い、ラスト2kmで駒沢大が創価大を逆転し総合優勝を果たす。

残念ながら17, 24日の都道府県対抗駅伝は、感染拡大のため中止された。

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定年京都移住3-1_ディスタンクシオン

12月のNHK100分de名著はフランスの社会学ピエール・ブルデュー著「ディスタンクシオン」、立命館大学院教授の岸雅彦氏が解説した。

ディスタンクシオンは仏語で「区別」を意味する。

目次は ①私という社会 ②趣味という闘争 ③文化資本と階層 ④人生の社会学 となる。

テーマは、趣味や嗜好という個人的な領域が、実は社会階級によって傾向付けられるというものだ。

傾向性、性向の概念を意味する「ハビトゥス」は、非常に深いレベルで嗜好や行動を方向づける「身体化された必然」で、同じハビトゥスを持つ者がクラスタを形成する。

私たちの行為や感覚、判断や評価、好き嫌いまでも、社会や歴史によって規定され、構築されたものと捉える。

ハビトゥスはパーソナリティとあまり関係がなく、社会的関係の中で、具体的には家庭と学校で構築される。

親の責任を感じるが、小さい頃身に付けたハビトゥスは一生固定化されるものでなく、人生経験とともに変化するという。

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