定年京都移住3-11_資本論
1月のNHK100分de名著はカール・マルクス著「資本論」、大阪市大准教授の斎藤幸平氏が解説した。
「マル経」と聞くと社会主義国を連想し拒絶反応を起こすが、若手気鋭の経済思想家が今の世相に絡めて「資本主義の暴力性」にフォーカスする。
目次は ①「商品」に振り回される私たち ②なぜ過労死はなくならないのか ③イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む!? ④〈コモン〉の再生〜晩期マルクスのエコロジーとコミュニズム となる。
「資本論」初版は1867年刊行、150年も昔に現代の様々な危機を予測していることに驚く。
資本主義社会は「資本を増やす」ことが目的となり、「資本」は絶えず価値を増やしながら自己増殖していく運動となる。
人間も自然も、その自動増殖運動に従属し、歯車に格下げされる。
資本主義は価値を生む商品を無限に求めるが、有限の地球を掘り尽くして商売の道具にしたツケを払うのは、未来を担う若い世代だと警告する。