HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住2-70_共同幻想論

7月のNHK100分de名著は吉本隆明著「共同幻想論」、日大危機管理学部の先崎教授が解説する。

著者は1924年生まれ、軍国学生として戦争を経験し、戦後民主主義に疑問を呈し続けた市井の思想家で、作家吉本ばななの父である。

1968年出版の同著は、全共闘世代に熱狂的に支持された思想書として知られ、国家の起源と本質、国家と個人の関係を考察した。

テキスト目次は、①焼け跡から生まれた思想 ②「対幻想」とはなにか ③国家形成の物語 ④「個人幻想」とはなにか、からなる。

国家は共同の幻想であり、風俗、宗教、法もまた、さらに習慣、民俗、精神の慣性さえも幻想である。

戦争中は全ての価値観や世界観に強固な共同性があるが、敗戦により一夜で瓦解してしまった。

なぜ人は何かを信じてしまうのか、人は単独で生きることはあり得ず、共同体自体が独善的な「正しさ」へ突き進んでしまう。

無条件で自らを正しいと信じる集団こそ、最も警戒すべき共同性だという。

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