定年京都移住2-36_哲学入門
NHK出版 学びのきほんシリーズ 若松英輔著「考える教室 大人のための哲学入門」を読んだ。
著者は昨年10月の100分de名著で西田幾多郎「善の研究」を解説した批評家、随筆家である。
プラトン、デカルト、アレント、吉本隆明の著作を通じて哲学の考え方のヒントを提示する。
プラトン「ソクラテスの弁明」では無知の知、デカルト「方法序説」では良識と魂、アレント「人間の条件」では労働における生命の祝福、がキーワードになる。
吉本隆明「共同幻想論」のキーワードは信じること、国家、風俗、宗教、法や精神の慣性さえも共同の幻想だという。
プレジデント社「哲学用語図鑑」のデカルトの項には、有名な「我思う、ゆえに我あり」の他に、神の存在証明、生得観念、二元論などが紹介されている。
魂は身体と区別され、魂こそが良識の源泉であり、良識は万人に平等に与えられているが、それを良く用いることが大切である、というのが心身二元論だ。