定年京都移住3-71_老い
7月のNHK100分de名著はボーヴォワール著「老い」、上野千鶴子東大名誉教授が解説した。
著者は1908年パリ生まれ、生涯のパートナーであるサルトルと共に実存主義を掲げた作家、哲学者で、49年に主著「第二の性」を、70年に本書を刊行した。
社会学者の上野さんは今年73歳、よくメディアでお見掛けする。
テキスト序文で「老いて何が悪い!」と元気がよい。
目次は ①老いは不意打ちである ②老いに直面した人々 ③老いと性 ④役に立たなきゃ生きてちゃいかんか! となる。
ボーヴォワールがこの本を書いた動機は、現代社会において老人は人間として扱われていない、老人の人間性が毀損されている、ことへの怒りだという。
老いた人間を厄介者にして廃物扱いすることを「老いは文明のスキャンダル」と記した。
老いとは個人が努力で克服するものではなく、まさに社会、文明の問題であり、高齢者をどう扱うかで、その社会の質が測られるという。