HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住3-50_金閣寺

5月のNHK100分de名著は三島由紀夫著「金閣寺」、解説は小説家の平野啓一郎氏だった。

著者は1925年東京生まれ、70年に陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で「天皇陛下万歳」と叫び自決した。

当時まだ小学4年生で、大阪万博を見に行ったのはよく覚えているが、この衝撃的な事件の記憶は薄く、著書も読んでいなかった。

本書は1950年の金閣寺放火焼失事件を材に、56年刊行された三島の代表作になる。

因みに金閣は55年に再建され、86年から「昭和の大修復」で5倍の厚みの金箔が使われたそうだ。

テキスト目次は ①美と劣等感のはざまで ②引き裂かれた魂 ③悪はいかに可能か ④永遠を滅ぼすもの、表紙には「絶対性を滅ぼす」とある。

平野は、三島が戦争中に天皇陛下を通じて絶対者という存在を経験し、その絶対者を金閣に仮託して書いた、と読むと、空襲による滅亡や、絶対者との一体感、といった学僧の心象が理解しやすいと解説する。

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