定年京都移住3-22_JR上野駅公園口
2月のNHKラジオ深夜便で、柳美里さんの「南相馬便り」を聴いた。
東日本大震災から10年、柳さんが南相馬市小高区に転居して6年になるが、13日にまた福島県沖地震が発生した。
震度6の激しい揺れで家や店の中はメチャクチャになり、罹災証明も出たそうだ。
震災の悪夢が蘇り、夜眠れない方も多いという。
2014年河出書房から出版され、昨年全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞した「JR上野駅公園口」を読んだ。
多くの取材を経たルポ的な一面と、心象風景が入り混じる。
昭和8年生まれのカズさんが南相馬から再び上京し、上野恩賜公園に住み着くのは67歳、天皇陛下と同じ日に生まれた長男と妻を亡くしていた。
自分が育った家庭と年齢構成は近いが、一人の男の壮絶な人生に、自分は世の中を知らず、紙一重の違いでそうなったかもしれない、と思う。