HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住2-64_カント

6月のNHK100分de名著はカントの「純粋理性批判」、東京医科大学西研教授が解説する。

1781年出版の同著は、近代哲学の二つの潮流、デカルトスピノザの大陸合理論とロック、ヒュームのイギリス経験論を統合した書といわれる。

課題としては、①科学が合理的な根拠をもって共有できる根拠 ②なぜ人間の理性は究極真理を求めて底なし沼にはまるのか ③よく生きるとはどういうことか(道徳の根拠)、番組史上最難解ということだ。

テキスト目次は、①近代哲学の二大難問 ②科学の知はなぜ共有できるのか ③宇宙は無限か有限か ④自由と道徳を基礎づける、からなる。

二大難問とは「物心問題」と「主客一致問題」のこと、キーワードの一つにアンチノミー(理性の二律背反)がある。

人間に自由はあるのか、それとも全ては自然の法則で決定されるのか、正反対の主張が同時に証明できるのは、経験を超えた問題に対して理性が混乱に陥るからで、理性で決着することはできないという。

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