定年京都移住2-41_ブッダの教え
NHK出版 学びのきほんシリーズ 藤田一照著「ブッダが教える愉快な生き方」を読んだ。
著者は東大大学院を中退して禅道場に入山得度、長く米国で座禅指導に従事した後、曹洞宗国際センター所長を務めた。
テーマは、仏教は難しい教えではなく、その学びをヒントに愉快な人生に近づくことができる、というものだ。
ブッダは、瞑想、苦行の「頑張る修行」に見切りをつけ、菩提樹の下で「頑張らない座禅」をして覚りを開いた。
時代を経て、仏教は経典の解釈を重視するようになり、権威的で現実と遊離してしまったため、本来の姿に回帰するプロテスタントとして禅が興った。
修行は、理想の平安を目指すため苦痛に耐えるものではなく、それ自体が平安であり、著者はそれを愉快な修行という。
私たちは縁起から生まれた存在で、苦しさは生老病死に対する反応として起こるのだが、苦しみさえ、学びとして素直に受け入れることはできる。
人間は学ぶ喜びを味わうために生まれてきたのだ、と説く。