HIROY’s diary

定年後の京都移住を計画中

定年京都移住2-39_人類学入門

NHK出版 学びのきほんシリーズ 松村圭一郎著「はみだしの人類学」を読んだ。

著者は1975年生まれの文化人類学者、京都大学大学院を修了し、岡山大学准教授を務める。

帯には「わたし」と「あなた」のつながりをとらえ直すとある。

個人と個人が対等であることが当たり前になったのは最近であり、近代にとって個人の確立は難しいテーマといえる。

2018年に世界で最も裕福な26人の資産は、世界人口の下位半分38億人の資産合計とほぼ同じという。

自己責任の考え方は、近代の個人主義における新しい問いであり、普遍的な課題である。

著者は20年以上に亘るエチオピアでのフィールドワークを通じ、「わたし」の人格や価値観が絶対的なものではなく、容易に変化しうることに気付く。

「わたし」という存在には複数の境界線の引き方があるのだ。

「わたし」が変化することで周囲の人や環境を新たな目でとらえ直し、脅威に感じられた差異が、共鳴の可能性としての差異に変わるという。

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