定年京都移住2-38_役に立つ古典
NHK出版 学びのきほんシリーズ 安田登著「役に立つ古典」を読んだ。
著者は1956年生まれ、高校教師から能楽師に転身、古典を学ぶ寺子屋遊学塾を全国で開催する。
論語は紀元前500年頃、儒教の祖である孔子と弟子たちの言行録で、死後400年ほど経って書物にまとめられた。
四十にして惑わず、の不惑は有名だが、惑の字は孔子の時代には無く、或の間違いではないかという。
或は「区切る」という意味なので、四十にして区切らず、まだまだ自分を限定するな、となる。
年齢を重ね固まりだした自分をあえて壊し、その結果として五十にして天命、本当の自分を知るのだという。
この教えを取り入れたのが松尾芭蕉、四十六歳のとき、生活のすべてを捨てて生まれ変わりの旅に出た。
おくのほそ道の最初の目的地は日光、芭蕉は滝にこもり死を疑似体験する。
旅前半の終点は平泉、源義経への鎮魂の句が「夏草や兵どもが夢の跡」である。