定年京都移住1-74_哲学の道
哲学の道沿い、法然院の近くに哲学者西田幾多郎の短歌「人は人吾は吾なりとにかくに吾行く道を吾は行くなり」の石碑がある。
日本の道100選の疎水沿いの小径だが、当時は思索に耽る静けさがあったのだろう。
今まで高名な著作に触れる機会は無かったが、先月NHK100分de名著で「善の研究」を取り上げていた。
西田哲学の代表作は明治44年、京都大学助教授の時に発刊されたが、それまでに父、兄弟2人、子供2人を失い、その後も母、妻と3人の子供を亡くしている。
「哲学の動機は驚きではなくして深い人生の悲哀でなければならない」という言葉に重みがある。
「実在」を認識するうえで、花園の妙心寺に参禅する経験が思索の土壌になっていたそうだ。
「純粋経験」「主客合一の作用」「知意未分以前の統一」「絶対矛盾的自己同一」など形而上的な難しいワードが多いが、ガイドを頼りにじっくり勉強したい。