定年京都移住1-70_京都の地名
KKベストセラ―ズの谷川彰英著「京都地名の由来を歩く」を読んだ。
京都には難読地名が多く、「一口」「化野」「帷子ノ辻」「先斗町」「太秦」「蚕ノ社」「鹿ケ谷」など初心者の頃は読めなかった。
六十の地名の由来を解説しているが、京都では「野」という字に葬送の意味が込められているという。
化野は嵯峨野の奥になるが、平安期から東の鳥辺野、北の蓮台野、紫野と並び風葬の地であった。
昨秋ブロンプトンで奥嵯峨を走った際、化野念仏寺に立ち寄った。
野ざらしの遺骸を埋葬するために弘法大師が建立し、その後法然上人の念仏道場となったそうだ。
八千体を超える石仏、石塔が配列安祈された賽の河原に立つと、得も言われぬ雰囲気を感じる。
鳥辺野は東山の葬送の地で、清水寺に向かう五条坂の右手、親鸞聖人を祀った大谷本廟の一帯だ。
鳥辺野に死者を送る入り口が六波羅、この世とあの世の境界に当たり、平家が一大拠点を築いた地である。