定年京都移住3-14_将棋の冒険
スポーツ・グラフィックナンバー1月21日号のテーマは「藤井聡太と将棋の冒険」、昨年最も輝いたアスリートに贈られるナンバーMVP賞を受賞した。
敵無しの藤井だが、1期6ヶ月で通過した奨励会三段時代に5敗している。
勝った5人のうち1人だけプロ四段に上がれず、15期戦った奨励会を年齢制限で退会した。
この1勝は人生の支えになる、という彼の言葉が響いた。
他にも羽生善治、先崎学、豊島将之、永瀬拓矢、渡辺明、斎藤慎太郎、森内俊之、増田康宏、中井広恵、屋敷伸之、松尾歩、木村一基、谷川浩司など多士済々の記事が続く。
紅一点、中井女流六段は史上最年長51歳で13年振りのタイトル戦・倉敷藤花に挑んだ。
23歳年下の絶対女王、里見香奈四冠に敗れたが、清水市代七段と一時代を築き、初めて男性棋士に勝った女流の底力を見せた。
稚内から上京し11歳でプロに、娘3人を育てながら第一線で活躍する姿は、NHK将棋フォーカスでも特集された。
定年京都移住3-13_芥川賞飛ぶ教室
1月のNHKラジオ高橋源一郎の「飛ぶ教室」に、その2日前芥川賞を受賞した宇佐見りんさんが登場した。
高橋さんは宇佐見さん19歳のデビュー作「かか」から才能を認め、「推し、燃ゆ」が受賞することを見越して、11月に出演交渉をしていたそうだ。
ほぼ完璧な作品で、読者を裏切らないのが唯一の欠点、と絶賛した。
高橋さんから、この才能はプレゼントされたものなので、大事にしてください、というお願いもあった。
宇佐見さんは国文科2年生の21歳ながら、高橋さんの理屈っぽい問い掛けに素直に受け答えして、落ち着きを感じた。
中上健次が大好きだと言い、執筆中の3作目の到達点を問われると、一生かけて中上健次に向かって格闘し続ける、と答えたほどだ。
45年前の芥川賞作「岬」を持参していたが、そこまで夢中になれる中上ワールドを知りたくなった。
まずは今回の受賞作を入手したところ、帯に高橋さんから「すごかった。ほんとに」の推しがあった。
定年京都移住3-12_令和つれづれ草
1月のNHKラジオ深夜便で、稲垣えみ子さんの「令和つれづれ草」を聴いた。
元新聞記者のミニマムライフ、と紹介され、検索すると、朝日新聞論説委員、編集委員を経て5年前50歳で退職しフリーに、福島原発事故を契機に節電生活に入る、とある。
お話しでは、狭い部屋に家電は明かり、ラジオ、パソコン、携帯だけ、電気代は毎月200円以下ということだ。
冷暖房が無いので夏と冬は辛いが、冬は小さい火鉢が最大の娯楽だという。
ガスも無く、カセットコンロで炭を焼くと危険なので、極寒のベランダで着火剤を使う。
火鉢に炭を立て円陣に並べるが、隊列を崩して火が消えぬよう、付きっ切りで世話するのが面白いらしい。
結局火鉢では暖まらず、鉄瓶でお湯を沸かし、湯たんぽに入れて暖を取るのだが、こういう身のピンチに幸せを感じるという。
不幸は楽しみの素、と笑う。
系統は違うが、BSTBS「ヒロシのぼっちキャンプ」で、ナイフを使って嬉しそうに火を起こす姿を思い出した。
定年京都移住3-11_資本論
1月のNHK100分de名著はカール・マルクス著「資本論」、大阪市大准教授の斎藤幸平氏が解説した。
「マル経」と聞くと社会主義国を連想し拒絶反応を起こすが、若手気鋭の経済思想家が今の世相に絡めて「資本主義の暴力性」にフォーカスする。
目次は ①「商品」に振り回される私たち ②なぜ過労死はなくならないのか ③イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む!? ④〈コモン〉の再生〜晩期マルクスのエコロジーとコミュニズム となる。
「資本論」初版は1867年刊行、150年も昔に現代の様々な危機を予測していることに驚く。
資本主義社会は「資本を増やす」ことが目的となり、「資本」は絶えず価値を増やしながら自己増殖していく運動となる。
人間も自然も、その自動増殖運動に従属し、歯車に格下げされる。
資本主義は価値を生む商品を無限に求めるが、有限の地球を掘り尽くして商売の道具にしたツケを払うのは、未来を担う若い世代だと警告する。
定年京都移住3-10_コロナ特需
週刊東洋経済1月16日号の特集は「激動 マンション・住宅」〜 都心から郊外へ民族大移動は起きるのか、の見出しに引かれた。
最初の記事は「まさかのコロナ特需」、要因は ①「巣ごもり」開始で住居に不満 ②在庫少なく、売り手優位に ③価格上昇で購買層が限定される ④低金利でローンも組みやすい となる。
誰もが購入できる訳ではないが、IT、情報サービスなど比較的影響が軽微で、所得が高く、在宅勤務への移行も早い業種が需要を支え、住宅市況は好調だという。
「民族大移動は起きるのか」では10月のスーモ閲覧数増加率ランキングが興味深い。
中古戸建てトップ3は全て千葉県で ①富津市 ②館山市 ③木更津市、⑥に栃木県那須町が入った。
中古マンションは ①横浜市瀬谷区 ②蕨市 ③逗子市、以下 ⑤成田市 ⑧取手市 など郊外が続く。
ただ現時点で「民族大移動」の可能性は低い。
在宅勤務が終わるリスクがあるうえ、都心の需要が底堅いからだという。
定年京都移住3-9_ミヤコが京都に
1月12日からABCテレビ制作ドラマ「ミヤコが京都にやって来た!」全6話が、関東ではTVKで始まった。
町医者で一人暮らしの柿木空吉が、離婚以来12年振りに会った20歳の娘と京町家で暮らす物語だ。
主演の佐々木蔵之介を検索すると、洛中に唯一残る造り酒屋佐々木酒造三代目の次男で、洛南高、神戸大卒の52歳、洛南の1年先輩に、KBS京都「あんぎゃでござる」の森脇健児がいる。
娘の宮野京(ミヤノミヤコ)役は藤野涼子、おばんざい屋の三林京子、造り酒屋の市川猿之助など豪華キャストだ。
第1話「父と娘の出町柳」、二人は枡形商店街の満寿形屋の鯖寿司を鴨川辺りで食べ、今熊野観音寺の紅葉を眺め、船岡温泉の銭湯で憩う。
第2話「五条路地裏ラビリンス」、二人はあじき路地、幽霊子育て飴本舗、六波羅蜜寺辺りを自転車で回り、夜はおこのみ夢屋で多いに飲む。
定年京都移住3-8_永瀬王座
昨年9月、前年初めて獲得したタイトル「叡王」を豊島将之竜王に奪われたが、10月に久保利明九段の挑戦を退け「王座」初防衛を果たした。
五番勝負の焦点を自ら解説する。
他のタイトル戦「棋聖」と「王位」は挑戦者決定戦で藤井聡太二冠に、「棋王」は挑決準決勝で糸谷哲郎八段に敗れたが、「王将」は挑決プレーオフで豊島を下し、渡辺明三冠への挑戦権を得た。
タイトル戦以外でも、トップ12棋士による将棋日本シリーズ決勝に進み、豊島に負け優勝こそ逃したが、多くの棋戦の活躍により年間最多勝を獲得した。
2歳違いの豊島との戦いはこれからも続くはずだ。
王将戦七番勝負は1月10, 11日に掛川城二の丸茶室で始まり、永瀬は初めて経験する2日制の対局を落とす。
16日にも朝日杯オープン戦で渡辺三冠に敗れた。
第二局からの巻き返しに期待したい。